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2025.05.27

「1打に懸ける重み 〜河本力選手のキャディをして感じたこと〜」

「1打に懸ける重み 〜河本力選手のキャディをして感じたこと〜」

先週、関西オープンでツアープロ・河本力選手のキャディを務めさせていただきました。結果は−14の堂々たる4位。間近で見た彼のプレー、準備、思考のすべてが、僕にとって忘れられない経験となりました。

朝早くから夜遅くまで、誰よりも長く練習場に残っていたのが河本選手。打球音ひとつ、弾道ひとつを確かめるように丁寧にスイングを重ねていく姿に、「上手い人はやっぱり違う」と、心の底から思わされました。

でも、それ以上に衝撃だったのは「マネージメント力」です。

試合が終わってからの夕食時、彼は毎晩、翌日のピンポジション表を開きながら、僕と一緒に仮想ラウンドをしていました。「このピンならここに外してもOK」「このアングルからならバーディの確率が上がる」… まるで翌日の試合を先に一度プレーするかのように。試合中も、「次はここに置こう」「あそこは危ない」と、お互いに確認しながら冷静に1打1打を選んでいけたのは、前日の“仮想ラウンド”のおかげでした。

中級者の方の中には、「コースマネージメントって何を考えればいいか分からない」という方も多いと思います。でも大事なのは、漠然とナイスショットを狙うのではなく、「10回打ったら一番平均スコアが良くなる場所を選ぶ」という視点です。
ツアープロは感覚ではなく、確率で勝負している。それを間近で見た僕は、「上手い人は“打ち方”だけでなく、“考え方”も違う」と改めて実感しました。

僕は次こそ、優勝の瞬間を1番近くで見たい。

そしてこの経験を、スタジオでのレッスンにも落とし込みながら、皆さんにも「ゴルフの本当の面白さ」を伝えていけたらと思っています。